【サービス接遇検定】 相手の状態を把握した上で適切に対応する
第57回 サービス接遇検定3級(対人技能)より
【問題】
長谷川香奈が受付を担当しているデンタルクリニックは予約制である。次はその予約についての長谷川の電話応対である。中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。
(1) 予約をしたいという人に,「痛みがないようでしたら,十分にお時間が取
れる日にしますが,いかがでしょうか」
(2) 既に予約している日時を変更したいという人に,「日時を申し上げますの
で,ご都合のよい日時をお選びいただけますか」
(3) 前日の予約時間に来なかった人が新たに予約したいという電話に,「予約
をお取りしますが,もう変更はございませんか」
(4) 予約時間が過ぎてしまったが今日は駄目かと言う人に,「待つことになる
と思いますが,お越しになられるなら受け付けます」
(5) 予約はしていないが痛むので見てもらえないかと言う人に,「先生に確認
してみますので,いらっしゃるのは何時ごろになりますか」
(1) 予約をしたいという人に,「痛みがないようでしたら,十分にお時間が取
れる日にしますが,いかがでしょうか」
(2) 既に予約している日時を変更したいという人に,「日時を申し上げますの
で,ご都合のよい日時をお選びいただけますか」
(3) 前日の予約時間に来なかった人が新たに予約したいという電話に,「予約
をお取りしますが,もう変更はございませんか」
(4) 予約時間が過ぎてしまったが今日は駄目かと言う人に,「待つことになる
と思いますが,お越しになられるなら受け付けます」
(5) 予約はしていないが痛むので見てもらえないかと言う人に,「先生に確認
してみますので,いらっしゃるのは何時ごろになりますか」
【解説】
予約制のデンタルクリニックにおける電話の受け方について問われています。デンタルクリニックは、患者によって必要な診療時間が異なるため、予約制をとっているところがほとんどです。患者にとっても待ち時間が少なくなり、自分のスケジュールに合わせて通院できるメリットがあります。ウェブサイトやアプリを使った予約も浸透しつつありますが、診療内容に合わせてスケジュールを組むので、電話で予約を受けるクリニックも多くあります。受付は時間をマネジメントして、クリニックの運営を支える重要な役割を担います。
適切な応対と不適切な応対について、選択肢を通して見ていきましょう。
不適当は(3)です。正答率は59.9%でした。前日の予約時間に来なかった患者から、新たに予約がしたいと連絡が来ました。何らかの事情があって予約日時に来院できなかったのでしょう。しかし、クリニックは予約に合わせてスケジュールを空けています。患者の再度の予約は受けることになるでしょうが、この際「もう変更はないか」などと言うと、嫌みのようにも聞こえてしまいます。次は予約日時を守ってほしいと念を押すなら、「変更の場合はご連絡をお願いいたします」などと、端的にこちらの要望を伝えるのが適切です。
他の選択肢も見ていきましょう。
(1)と答えた受験者は19.4%でした。予約を受けるなら早い日時を案内した方がよいと考えたのかもしれません。しかし、長谷川は予約日の提案の前に「痛みがないようでしたら」と前置きをしています。痛みがないのであれば、急を要する治療ではないでしょう。だとすれば、患者の状態をきちんと把握し、十分に時間が取れる日時を案内するのは適切な対応です。医師が緊急度を的確に判断するためにも、受付での症状の聞き取りは欠かせません。
(2)7.2%。予約の日時に行くことができず、変更をしなければならないこともあります。しかしクリニック側の都合もあるので、予約が空いている日時を伝えて、患者に選んでもらうのは適切な対応です。
(4)9.4%。「今日は駄目か」という患者の言葉からは、「どうしても今日診てもらいたい」という気持ちを察することができます。予約制であるため来院後に待つことになる旨をきちんと伝え、了承してもらった上で対応しているので、適切な対応です。
(5)4.2%。予約制であったとしても、患者は今歯の痛みを抱えており、すぐにでも診察してほしいと思い連絡してきています。医師に確認した上で、できる限り早急に診察できるようにすることがこの場合の適切な対応です。
予約制である以上、患者には予約時間通りに来院してもらい、診療を受けてもらうのが理想的です。しかし、予定通りにいかないのが病院の常です。患者の事情すべてに対応することは不可能ですが、できる限りスケジュールをやりくりして対応するのがよいでしょう。患者は歯の痛みなどの症状を抱えています。相手の状態を把握して寄り添い、適切な応対をするのが受付スタッフの役割と言うことです。(『就職指導ニュースvol.53』より)
適切な応対と不適切な応対について、選択肢を通して見ていきましょう。
不適当は(3)です。正答率は59.9%でした。前日の予約時間に来なかった患者から、新たに予約がしたいと連絡が来ました。何らかの事情があって予約日時に来院できなかったのでしょう。しかし、クリニックは予約に合わせてスケジュールを空けています。患者の再度の予約は受けることになるでしょうが、この際「もう変更はないか」などと言うと、嫌みのようにも聞こえてしまいます。次は予約日時を守ってほしいと念を押すなら、「変更の場合はご連絡をお願いいたします」などと、端的にこちらの要望を伝えるのが適切です。
他の選択肢も見ていきましょう。
(1)と答えた受験者は19.4%でした。予約を受けるなら早い日時を案内した方がよいと考えたのかもしれません。しかし、長谷川は予約日の提案の前に「痛みがないようでしたら」と前置きをしています。痛みがないのであれば、急を要する治療ではないでしょう。だとすれば、患者の状態をきちんと把握し、十分に時間が取れる日時を案内するのは適切な対応です。医師が緊急度を的確に判断するためにも、受付での症状の聞き取りは欠かせません。
(2)7.2%。予約の日時に行くことができず、変更をしなければならないこともあります。しかしクリニック側の都合もあるので、予約が空いている日時を伝えて、患者に選んでもらうのは適切な対応です。
(4)9.4%。「今日は駄目か」という患者の言葉からは、「どうしても今日診てもらいたい」という気持ちを察することができます。予約制であるため来院後に待つことになる旨をきちんと伝え、了承してもらった上で対応しているので、適切な対応です。
(5)4.2%。予約制であったとしても、患者は今歯の痛みを抱えており、すぐにでも診察してほしいと思い連絡してきています。医師に確認した上で、できる限り早急に診察できるようにすることがこの場合の適切な対応です。
予約制である以上、患者には予約時間通りに来院してもらい、診療を受けてもらうのが理想的です。しかし、予定通りにいかないのが病院の常です。患者の事情すべてに対応することは不可能ですが、できる限りスケジュールをやりくりして対応するのがよいでしょう。患者は歯の痛みなどの症状を抱えています。相手の状態を把握して寄り添い、適切な応対をするのが受付スタッフの役割と言うことです。(『就職指導ニュースvol.53』より)