【ビジネス文書検定】 ビジネス用語特有の言い回しを身に付ける

第71回 ビジネス文書検定3級(表記技能)より

【問題A】漢字の読みを問う問題

次の文章の下線部分⑴~⑽は何と読むか。それぞれの読み方を平仮名で答えなさい。

【解答】

⑴うけたまわ ⑵しゅうにん ⑶よし ⑷へいそ ⑸せいれい ⑹けいふく ⑺じあい ⑻きでん ⑼いかん ⑽きねん


第71回 ビジネス文書検定2級(表記技能)より

【問題B】漢字の表記を問う問題

次の礼状の下線部分を,漢字で答えなさい。

【解答】

⑴貴地 ⑵際 ⑶繁忙中 ⑷格別 ⑸高配 ⑹滞 ⑺所期 ⑻果


第71回 ビジネス文書検定2級(表記技能)より

【問題C】手紙用語の活用を問う問題

次の各文の(  )内は,その前の下線部分の意味です。この(  )内の意味に従って,下線部分の□内に,該当する手紙用語やビジネス文書での言い方を書き入れなさい。

 ⑴ □□いたす所存でございます。(一生懸命に励む)
 ⑵ ご□□くださいますよう,お願いいたします。(よく調べて受け取ってください)
 ⑶ □□のご支援を賜りますよう,お願い申し上げます。(以前にも増しての支援をくれるように)
 ⑷ ご要望がおありでしたら,□□□とお申し付けくださいませ。(どのようなことでも言い付けてください)
 ⑸ □□の候,ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。(6月を表す時候の語)


【解答】

⑴精励 ⑵査収・検収 ⑶倍旧 ⑷何なり ⑸初夏・向暑・梅雨など


【解説】

 手紙用語を使える知識にするために必要な三本柱は、「読めること」「書けること」「活用できること」です。今回は第71回から、これらに対応する3問を取り上げて解説します。

 問題Aは、漢字の読みを答える形式です。意外にも読みは盲点になりやすいので注意が必要です。特に⑴「承り」、⑶「(〜との)由」、⑻「貴殿」、⑼「遺憾」は、日頃からビジネス文書になじみがない受験者は読みにくいと感じるかもしれません。対策として、授業内で過去問題の文例を利用した問題を解かせるなどして語彙を増やすことをおすすめします。

 問題Aと対になるのが問題B。漢字の表記を答える形式です。⑴「キチ」、⑵「トドコオ(りなく)」、⑺「ショキ」、⑻「ハタ(たす)」など、漢字自体はそれほど難しくありません。しかし、問題文に沿った漢字を答えるためには、前後の文脈に基づいて判断する必要があります。ビジネス文書の読解力が問われる問題ともいえるでしょう。正答率を上げるためには、問題Aと同様、学生がビジネス文書に触れる機会を増やすのが効果的です。

 問題Cは、指示された意味に基づいて手紙用語を答える形式です。⑵は「笑納」という回答が多かったですが、笑納は謙遜の意味を含んだ用語です。社交文書など使う場面が限られている言葉であるため、ご注意ください。問題文の「よく調べて受け取ってください」という意味指定に照らすと「査収」「検収」が適切です。⑶は「旧に倍する」という言い回しと混同したのか、「旧倍」と回答する受験者が少なくありませんでした。⑸は時候の語を答える問題。 6月の代表的な季語は「初夏」「向暑」「梅雨」です。奇をてらった回答をする必要はありませんが、当協会編『ビジネス文書検定受験ガイド1・2級』(早稲田教育出版)を参照し、基本的な語を理解させるようにご指導ください。

 手紙用語の習得に当たっては、「平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます」といったフレーズごと覚えるのが効率的です。授業や講座内で文例を音読させたり、手書きやPCで実際に文書を作成させたりすることも知識の定着につながるでしょう。

 (就職指導ニュースVol.52より)