【秘書検定】 二人の上司から指示を受けた時の仕事の進め方を理解する
第123回 秘書検定2級(必要とされる資質)
【問題】
Q.秘書Aは二人の上司(山田部長・中村部長)に就いているので、何かと気を使うことが多い。山田部長は期限に余裕のある仕事を指示したときでも途中で「出来たか」と聞いてくることがあり、中村部長は何でも急ぎと指示することが多い。今も山田部長からの指示で明後日の会議資料を作成しているところへ、中村部長から急ぎの調べものを頼まれた。このような場合、Aはどのように対処すればよいか。次の中から適当と思われるものを一つ選びなさい。
1)山田部長に資料作成の進捗状況*を報告しておいて、中村部長の調べものを先に済ませてしまう。
2)両部長に、仕事が重なっていてどちらを先にするか判断できない、調整してもらえないかと言う。
3)山田部長に、急ぎの仕事が入ったので資料の作成を中断すると断ってから調べものに取り掛かる。
4)会議資料の作成と調べものにかかる時間の見当をつけて、早く終わりそうな仕事から先に済ませる。
5)二人の上司を公平にサポートするのがよいのだから、先に指示があった資料作成の方を先に済ませる。
*「進捗(しんちょく)状況」とは、仕事などのはかどり具合のことである。
2)両部長に、仕事が重なっていてどちらを先にするか判断できない、調整してもらえないかと言う。
3)山田部長に、急ぎの仕事が入ったので資料の作成を中断すると断ってから調べものに取り掛かる。
4)会議資料の作成と調べものにかかる時間の見当をつけて、早く終わりそうな仕事から先に済ませる。
5)二人の上司を公平にサポートするのがよいのだから、先に指示があった資料作成の方を先に済ませる。
*「進捗(しんちょく)状況」とは、仕事などのはかどり具合のことである。
【解説】
秘書Aが二人の上司に就いているという設定の問題です。この場合、ポイントとなるのは仕事がかち合ってしまったときの進め方です。問題を解くには、両部長の指示の仕方の特徴や内容、癖などを考慮して、最適な対処法を考えていくことになります。
適当は(1)。中村部長は何でも「急ぎ」と指示することが多いとしても、指示があればそれに対応しないわけにはいかないでしょう。一方で作成中の資料は明後日の会議用のもので、少しは余裕があるはず。となると資料作成はいったん中断して、調べものを先に済ませた方がよいということになります。このとき、期限前でも「できたか」と聞いてくることがある山田部長には、進捗状況を報告して心配をかけないように配慮するのが適切な対処です。(1)を選んだ受験者は64%でした。
その他の選択肢を見ていきましょう。
不適当な選択肢のうち、(3)を選んだ受験者は24%でした。仕事の優先順位を付け、山田部長に報告しているので、正しいと考えたのでしょうか。しかし、報告の内容が間違っています。山田部長の関心は「資料がいつできるか」です。ところが、Aが報告した内容は「急ぎの調べものが入ったので、資料作成を中断する」というもの。これは、自分の業務の都合であり、山田部長には直接関係ありません。また、中村部長の指示に関することは、山田部長に言うことではありません。従って不適当となります。
(2)二人の上司に就いていれば、仕事が重なるケースは日常的によくあることです。その際、上司に調整を依頼することは忙しい二人を煩わせることになるので不適当となります。
(4)会議資料の作成と調べものにかかる時間の見当をつけるのは、仕事の段取りを考えるにあたって必須です。ただし、この問題では調べものに「急ぎ」という決定的な条件が付いており、早く終わりそうな仕事を選べばよいという状況ではありません。仮に調べものを選択したとしても、そこに至る考え方としては不適切です。
(5)二人を公平にサポートしようという心構えはよいですが、先に指示があった仕事を優先するという考え方では、急な仕事に対応できないことになります。公平にサポートすることの意味を取り違えているので不適切です。
作成中の資料は明後日の会議用であるので、期限は明後日と考えてしまいがちです。しかし、事前に指示者である山田部長に内容や体裁を確認してもらう必要があり、手直しの時間も考えておかなければなりません。明後日が期限と考えたのでは遅いことを、生徒・学生にご指導ください。
(『就職指導ニュースvol.49』より)
適当は(1)。中村部長は何でも「急ぎ」と指示することが多いとしても、指示があればそれに対応しないわけにはいかないでしょう。一方で作成中の資料は明後日の会議用のもので、少しは余裕があるはず。となると資料作成はいったん中断して、調べものを先に済ませた方がよいということになります。このとき、期限前でも「できたか」と聞いてくることがある山田部長には、進捗状況を報告して心配をかけないように配慮するのが適切な対処です。(1)を選んだ受験者は64%でした。
その他の選択肢を見ていきましょう。
不適当な選択肢のうち、(3)を選んだ受験者は24%でした。仕事の優先順位を付け、山田部長に報告しているので、正しいと考えたのでしょうか。しかし、報告の内容が間違っています。山田部長の関心は「資料がいつできるか」です。ところが、Aが報告した内容は「急ぎの調べものが入ったので、資料作成を中断する」というもの。これは、自分の業務の都合であり、山田部長には直接関係ありません。また、中村部長の指示に関することは、山田部長に言うことではありません。従って不適当となります。
(2)二人の上司に就いていれば、仕事が重なるケースは日常的によくあることです。その際、上司に調整を依頼することは忙しい二人を煩わせることになるので不適当となります。
(4)会議資料の作成と調べものにかかる時間の見当をつけるのは、仕事の段取りを考えるにあたって必須です。ただし、この問題では調べものに「急ぎ」という決定的な条件が付いており、早く終わりそうな仕事を選べばよいという状況ではありません。仮に調べものを選択したとしても、そこに至る考え方としては不適切です。
(5)二人を公平にサポートしようという心構えはよいですが、先に指示があった仕事を優先するという考え方では、急な仕事に対応できないことになります。公平にサポートすることの意味を取り違えているので不適切です。
作成中の資料は明後日の会議用であるので、期限は明後日と考えてしまいがちです。しかし、事前に指示者である山田部長に内容や体裁を確認してもらう必要があり、手直しの時間も考えておかなければなりません。明後日が期限と考えたのでは遅いことを、生徒・学生にご指導ください。
(『就職指導ニュースvol.49』より)