【ビジネス文書検定】 時候のあいさつはごく基本的なものを覚えて使う

第68回 ビジネス文書検定2級(表記技能)

Q.次は、連続した3カ月の時候のあいさつの語を示したものです。これについて、①下線部分aの時候のあいさつは、一般的には何月に使われるか答えなさい。②下線部分bを、漢字で答えなさい。③下線部分cには、どのような語が該当するか。漢字で答えなさい。

問題解説

 社外文書で使用する「手紙用語」は、「読めること」「書けること」「使える(活用できる)こと」が大切です。手紙の用語の中でも、今回取り上げるのは「時候のあいさつ」の語。時候のあいさつの語に関しては次の3つの形式いずれかで出題されます。

A 時候のあいさつの語と月の関係を問う問題
 問.次は、時効を表す言葉とその言葉を使う標準的な月の組み合わせです。中から不適当と思われるものを
   一つ選び、番号で答えなさい。

  (1)初春の候=3月 (2)初夏の候=6月 (3)初秋の候 (4)初冬の候=12月

   [解答](1)(3月は早春が一般的)


B 漢字の読みや表記を問う問題
 問.次の礼状の下線部分を、漢字で書きなさい。

  (1)キンケイ  (2)コウカンの候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

   [解答](1)謹啓 (2)向寒(11月に発信する文書で使う)


A+Bの問題
 問.下線部分の□内に、該当する手紙用語やビジネス文書での言い方を書き入れなさい。
  
   □□の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
  (5月を表す時候の語)

   [解答例] 新緑

 今回の問題は、3形式のすべてを含んだ総合問題です。それを踏まえて見てみましょう。
 問題文には、「連続した3カ月」という条件が示されています。設問に囲みがあると、問題をよく読まずいきなり囲みの中に注目してしまうことがありますが、この条件を読み飛ばしてしまうと正しく解答できません。
 問題③に解答するためには、「a初春」もしくは「bヨカン」が何月かを判断します。そうすると、問題文の「連続した3カ月」という条件から、cには3月の時候のあいさつを書けばよいことが分かるでしょう。
[解答]
①1月
②余寒
③早春・春暖 など

 時候の時候のあいさつの語は、社外文書の中でも特に、あいさつ状や礼状などの社公文書で使用するものです。月ごとに使用できる語が決まっていますが、現代の季節の感覚で判断すると、次のようにずれてしまうことがあります。

【11月】
×冬に差し掛かるころだから「初冬」
 →正しくは「向寒」など

【12月】
×本格的に冬なので「厳冬」
 →正しくは「初冬」など

 実際の気候とは関係なく慣用とされている語なので、当社発行の『ビジネス文書検定受験ガイド1・2級』(公益財団法人実務技能検定協会編)などを参照し、ある程度機械的に覚えるしかありません。
 ビジネス文書では、奇をてらうことなく基本的な語を使いましょう。まずは、月ごとの時候のあいさつを二つずつ覚えて使えるようになることを目指すと良いでしょう。
 (『就職指導ニュースvol.49』より)